テレビCMやYouTubeの広告でもよく見かけるWEB制作プラットフォームの「Wix」。現在世界中で利用されていて2021年には2億ユーザーを超えたと発表されている超大型のホームページ作成ツールです。
そんなWixで自社サイトを作っていたら、「ページ数が増えてカスタマイズ機能も気づいたら複雑化」「最近はサイトの表示速度も遅くなってる気がする」そんな声を見かけました。それはWixが悪いわけではなく、そのサイトがWixのプラットフォーム型のプランに適していない可能性があるからです。
そんな時考えるWixからWordPressへのサイトの移行。しかし注意しなければいけないことも多いです。今回はWEB制作を携わってるからわかる注意点を解説します。
目次
Wixのメリットとデメリット
まず注意点を話す前にWixを使う上でのメリットとデメリットをまとめておきます。
- 豊富なデザインテンプレート
- 文字の挿入や画像の配置も簡単なUI
- 人気なプラットフォームだからGoogleの検索で情報が多い
- 独自ドメインと広告非表示では有料プランにする必要がある
- テンプレートから外れたデザイン変更が大変
- ページ数が増えていくにつれてサイトの表示速度が遅くなる
- 外部サイトへの301リダイレクトができない
Wixは非常に多くの使いやすいテンプレートを使うことができます。Wixは簡単にWEBサイトを公開できることを目的のプラットフォームなので、細かいHTMLやCSSの変更には向いておらず、オリジナリティのあるアニメーションやデザインにすることには向いていないようです。
WEBサイトは公開することがスタートで、ビジネスと共に記事を追加したり更新したり成長させていくものです。ページが増えていくにつれてWixでの管理に物足りなくなってWordPressに移行することを考えることがあるようです。
WordPressへの移行手順
今回はWordPressへの移行の注意点についての解説記事なので、手順については簡単にまとめるだけにとどめておきます。
- レンタルサーバーを契約するか、独自にサーバーを用意する
- WordPressのローカル環境を作成する
- Wixで独自ドメインを使ってる場合はドメイン移管
- 新しいサーバーにWordPressファイルをアップロード
- データベースをインポートする
独自ドメインを使用していない場合は独自にドメインを取得する必要があります。Wix上のブログ記事などを自動的に移行することはできません。
サーバーを用意する
WordPressはWixとは違い、サーバーを自分のものを用意する必要があります。サーバーは、レンタルサーバーやAWSなどのクラウドサービスを使用する方法があります。
レンタルサーバーはさまざまな企業が提供しています。その中で私たちがおすすめレンタルサーバーはXserverです。
レンタルサーバーによっては、サイト表示が遅かったり保存容量が少なかったりすることもあるので、選ぶ際には注意しましょう。
WordPressのローカル環境を作成する
移行が完了すると元々のサイトが閲覧することができなくなります。WixからWordPressの移行はエクスポートやインポートのような手段を取ることができません。
この時点でローカル環境のWordPressに、テーマデザインや記事の書き直ししてください。Wixの運用によっては、カテゴリー・タグ、カスタム投稿タイプなどの適切な仕様を考える必要があります。
適切な運用のためにも、WordPressの構築はデザインや記事の編集などを始める前に行う方が良いです。
ZATYでは、WordPressの構築や機能仕様などを考えるコンサルティングも承っております。ご不明なことがありましたら、お問い合わせください。
Wixで独自ドメインを使ってる場合はドメイン移管
Wixで独自ドメインを使用している場合は、新しいサーバーにドメイン移管する必要があります。
ドメイン移管の方法は、「Wixでドメインを契約した場合」と「Wix以外のドメインプロバイダで契約した場合」で異なります。Wixでドメインを契約した場合は、Wixで取得したドメインを他社へ移管するをご覧ください。
Wix以外のドメインプロバイダで契約した場合は、そのプロバイダのネームサーバーを新しいサーバー用に設定することでドメイン移管が完了します。
新しいサーバーにWordPressファイルをアップロード
移行する先のサーバーにWordPressを作ります。
Xserverでは簡単にWordPressをインストールできる機能が用意されています。ですが、今回は記事などの情報をあらかじめローカルで準備する移行ですので、FTPなどを使用してファイルをアップロードします。
ファイルのアップロードが完了することで、テーマデザインやプラグインなどをローカルと同じ状態にできます。
データベースをインポートする
WordPressのユーザー情報や記事の情報はファイルではなく、データベースに保存されています。
ですので、ローカル環境のSQLファイルを新しいサーバーのデータベースにインポートする必要があります。
ここで注意する必要があるのは、アップロードするSQLファイルに記載されているローカルのパスを新しいドメインのパスに変更する必要があります。
ここまでの手順で、Wixのサイトからローカル環境で構築したWordPressを新サーバーに移行することが完了します。
移行するとき必ず気をつけなければいけないこと
WixとWordPressはどちらもCMSと呼ばれるコンテンツ管理サービスですが、大きな違いはWixがSaaS(Software as a Service)と呼ばれるクラウドサービスであることです。
SaaSの多くはサイトの機能やデザインの権利などの制限をサービス会社が設定しており、移行にあたって気をつけなければいけないことが発生します。
デザインを変更する必要がある
Wixからの移行をするにあたって
との意見を見かけました。
WordPressの移行手順で説明した通りWixからの移行は全て手作業で行わなければいけません。移行後WordPressにはWixで使ったテンプレートは用意されていないので同じデザインにするには自分でデザインするしかないでしょうか。
いいえ、そもそもWixと同じデザインのサイトを作ることはできません。Wixが用意していたテンプレートはWixが著作権を保有しています。移行後にWixのデザインを完全再現することは違反行為にあたります。
なのでWixからWordPressに移行する場合は、デザインも新しいものを用意しなければいけないことになります。WordPressでも無料で公式から配布されているテンプレートも多く、有料テンプレートでも買い切りのものも多いので、必ず確認してから移行をしてください。
投稿した内容などをもう一度入力する必要がある
Wixではデータベースの情報をエクスポートすることはできません。
ですので、WordPressに移行する際はもう一度記事の内容を作成し直す必要があります。
移行の際はローカルであらかじめコンテンツを作成し直し、Wixを301リダイレクト設定をした後、本番のデータベースにアップロードする手順がSEO的に効果的です。
検索結果の順位が落ちる可能性がある
独自ドメインでWEBサイトを運用していた場合は、WixからWordPressへのドメイン移管をすることで同じURLでサイトを運用することができます。
移行後にトップページ以外の下層ページで使っていた名称を移行後に変更すると、リダイレクト処理をする必要があります。リダイレクト処理をしない場合はそのページはGoogleから正当な評価を受けることができなくなる可能性があります。
無料ドメインで運用していた場合は、移行の際に新たにドメインを取得する必要があり、今後は新しいURLでWEBサイトを運用していくことになるので、適切にリダイレクト処理を行わなければ、Googleからの評価は0からに戻ります。
Wixのページを放置しておくと同じような内容のサイトが2つ存在することになり新しいサイトの評価が落ちる可能性があるので、移行完了後は必ず前のサイトは削除するようにしてください。
よくある質問
WixからWordPressへの移行に関するよくある質問とその回答をまとめました。
WixからWordPressへの移行は難しいですか?
WixからWordPressへの移行は、適切なツールや手順を用いれば、比較的簡単に移行可能です。しかし、カスタムデザインや特殊な機能を持つサイトの場合、移行手順がが複雑になることがあります。初心者の方は、専門家に相談することをお勧めします。
WixからWordPressに移行する際、SEO対策はどうすればいいですか?
WixからWordPressに移行する際、SEO対策を維持するためには、301リダイレクトを使用しすることで旧ページから新ページへ順位に関わるデータを引き継ぐことができます。
WordPress移行後は、SEO対策のプラグインを用いることで簡単にSEO対策を行うことができます。
WixからWordPressに移行すると、デザインやレイアウトはそのまま引き継がれますか?
デザインの引き継ぎは単純な移行で行うことはできません。
移行後は、WordPressのテーマやプラグインを使用して、サイトのデザインやレイアウトを再構築する必要があります。
ZATYでは元々のデザインを近いWordPressテーマを制作することも可能です。まずはご連絡ください。
WixからWordPressへの移行後、どのようなメリットがありますか?
WordPressへの移行により、柔軟性とカスタマイズ性が向上します。さらに、プラグインの選択肢が増え、SEO対策や機能追加が容易になります。
Wixで作成していたコンテンツを同じように作成してほしい
ZATYではWixで既に公開しているコンテンツをWordPress上で作成し直す代行も請け負っております。
デザインの完全再現は著作権上できませんが、似たような雰囲気のデザイン・挙動のオリジナルテーマを作成することも可能です。
コンテンツの量やデザインによって製作費用が異なりますので、まずはお問い合わせください。
まとめ
WixからWordPressへの移行する時の注意点を説明しました。
Wixは初心者でも簡単にWEBサイトを公開できるプラットフォームであるだけに、WordPressでの移行・運用は難易度が高いように感じられるかもしれません。
ZATYではWordPress開発・制作の実績もあり、Wix運用時のデザインに近いのWordPressテーマを開発することも可能です。まずはご連絡ください。